2000富士登山記(須走口)

須走口五合目

登山案内板

五〜六合目

六合目瀬戸館

七合目太陽館

本七合目見晴館

富士山ホテル

八合五勺御来光館

山 頂

夜明け

御来光1

御来光2

火口と測候所

お鉢巡りへ

お鉢巡り1

お鉢巡り2

影富士(大沢崩側)

測候所(跡)

剣ヶ峰(3776m)

奥 宮

山頂山室群(吉田口)

吉田口下山道

山頂を望む

分岐地点

砂走り下山道

 

2000富士登山記(須走口)8/17〜8/18

2000年2回目の富士登山は、須走口新五合目から山頂を目指し、同下山道にて新五合目に戻るというルートの
夜間慣行登山となった。

メンバー
・私 純
・徳ちゃん(最年少25才 根性が?)
・南さん(知り合いのカッコイイ・ナイスジェントルマン)

8/17

東京〜東名高速〜御殿場インター〜ふじあざみライン〜須走口新五合目
東京を午後5時頃出発。天気は快晴。ものすごく良い登山となりそうに思えた。
東名高速を走らせていると徐々に雲がかかりだし、御殿場インターが近づくと雨が降り出した。
御殿場インターを出る頃には本降りに。イヤーな予感がし出す。コンビニで行動食などを調達。

国道138号線からふじあざみラインに入る。長い直線の坂を上がっていると突然の濃霧が…
なんと視界が2〜3メートル程に。ますますイヤーな予感が。カーブに入り出す頃にはもうマジに真剣な運転。

途中この視界の悪さに停車している車も。「危ないなあ」などと思いながらも真剣にハンドルを握る。
ところが何とさっきの車が後を付けてくる。「くそっ やられた」見事に道案内役をさせられてしまう。
四合目を過ぎたあたりで突然視界が開ける。霧が見事に晴れたのだ。
ホッとしつつ須走口五合目に到着。午後七時半。
登山道入り口脇の駐車スペースに車を止められた。ラッキー。ゆっくりと登山準備にはいる。

空はどうやら曇っている模様。下界は何と大雨との情報が入る。新幹線も止まっているという。
下山してきた人は雨にあったようで、足元などもグチャグチャになっている。
しかし空は次第に星が輝きだし、登山決行を決定。

五合目〜六合目瀬戸館
今回は携帯バーナーと燃料を持参。五合目で湯を沸かし熱いコーヒーを飲む。うまい。
車で五合目まで行っての登山は、この五合目でしばらくとどまり、身体を高度に慣らすことが重要だ。
そうしないと高山病にかかる可能性が高くなるのだ。

午後九時。予定通り五合目を出発する。2軒の山小屋を過ぎまっすぐ進む。車進入止めのポールを過ぎ森林帯へ入る。
すぐに登りが始まる。足場は岩場などが多くあまり良くない。先刻まで降っていた雨のせいか濡れていて滑りやすい。

程なく古御岳神社を過ぎる。森林帯の登山道が結構きつい。暑いのだ。昼間の登山だったらきっと涼しくて心地よいのだろう。
しかし夜間はこの木々が風を遮り暑い。しばらく行くと少し開けたところに出た。風がものすごく気持ちいい。
上方を望むと2軒の山室の灯が見える。六合目瀬戸館と七合目太陽館の灯だろうか。
そして再び森林帯に入る。また暑さが襲ってくる。

開けた所に出てはまた森林帯へ。何度か繰り返し回りの木々が低くなり砂礫の道へと変わってきた頃、
本五合目林館跡に到着。このあたりで約2,400m。午後10時を少し回っている。暫時休憩。
富士宮口だったらこの高さからスタートになる。それを考えると少し疲れた気分になる。

林館跡を出発。上方に六合目瀬戸館の灯が見える。こあたりで少し傾斜がきつくなる。回りが靄って来る。
そして空からはポツポツと雨が落ちてきた。夜間に雨に遭うとはついてない。
今まで何回か登っているが夜間に雨に降られたのは初めてのことだ。合羽を着こむ。
幸い雨足は強くなることはなく程なく止んでくれた。靄ったり晴れたりしながら六合目の山室瀬戸館に到着。
ここで約2,600m。午後11時。

六合目瀬戸館〜七合目太陽館
暫時休憩後、六合目瀬戸館を出発する。森林帯は抜け涼しくなったが、傾斜はだんだんきつくなってくる。
足元は砂礫地の登山道で足を結構取られ体力を消耗する。でもすぐ上方に七合目太陽館の灯が見えている。
何か目標があると結構足も進めることができるようだ。
太陽館真下。傾斜がきつい。砂礫地で足も取られる。
七合目太陽館到着。2,900m位だろうか。8/18 ジャスト0時。

8/18

七合目太陽館〜本七合目見晴館
七合目太陽館前で休憩。行動食のおにぎりを食べる。我々も含めて10人位が休んでいる。
この後の急勾配に備え休養を取る。水分も補給しいざ出発。

登山道の勾配はこのあたりではもうそうとうきつい。休憩の回数も増えてきた。
午前1時頃本七合目見晴館に到着。標高3,250mの表示。

本七合目見晴館〜八合目江戸屋〜吉田口と合流〜本八合目富士山ホテル
本七合目を出発。
下山道やブルドーザー道などと交差しながら、(登山道がきつくてブルドーザー道のほうが楽に見える。)
程なくして八合目江戸屋到着。こあたりで3,300m位か。右手の方を見ると吉田口登山道の懐中電灯の行軍が見える。
吉田口は須走口と比べてやはり登山者の数が多い。でもなんか多くの人を見てホッとする。

ここから山室が点在している。目標が多く、そこに着けば休めるためこのあたりはあまり苦しくないような気がする。

吉田口本八合目富士山ホテルが見えた。ここで吉田口に入ることにする。
本当の合流地点はこの少し上の、胸突江戸屋とトモエ館の間あたりで吉田口との合流となる。

本八合目富士山ホテル到着。3,400m。午前2時15分前。
この先から急坂となる。俗にいう”胸突八丁の登り”となるため、少し休憩を取ることにする。
山室前のベンチに腰掛け下方を見ると、吉田口登山道の懐中電灯の行軍が遙か下の方まで続いている。

本八合目富士山ホテル〜山頂到着
富士山ホテルで残りの行動食を食べる。ベンチでくつろいでいるのだが、やはり平日のためかすいている。
がらがらという程ではないが、このあたりは金、土曜だったら大混雑で人人人。ベンチになんか座れない。
この先は登山道も大渋滞し、思うように進まなくなり御来光に間に合わないなんてことも。

午前2時、富士山ホテルを出発する。ここから山頂までは1時間ちょっと。ゆっくり行っても1時間半ほどで山頂に着ける。

登山道にはツアーの団体が登っているのが目立つ。かなりゆっくりとしたペースで登っている。
しばらくこの団体の後を登ることにする。傾斜は急だがペースが遅いためかなり楽だ。
自分たちのペースが早かっただけかもしれない。富士山はゆっくりゆっくり登る方がいい。
それにあまり早く山頂に到着しても、御来光まで時間がありすぎるし、山頂は風もあって寒いだけだ。

山室トモエ館を過ぎ八合五勺御来光館に到着。3,450mの表示がある。
もくもくとジグザグの砂礫道の登山道を登る。途中大きな岩など転がっている所もある。
九合目到着。標高3,600m。もうのこり後わずかだ。

しばしの休憩後出発。またツアー団体の後を登る。山岳ガイドの人の声が飛ぶ「みなさ〜ん がんばってー!後少しです。」
しばらくしてあることに気づいた。?以前登ったときと道が違う。もしかしたら下山道を登っているのでは…!
ツアー先導の山岳ガイドの人に聞いてみたところ、やはり下山道だと言う。
先に行った南さんは登山道を行ってしまった。はぐれてしまった。でも山頂で落ち合えばいいか…
しかしガイドさんが言うには、九合目より上の登山道はすごい岩場で、(以前登ったときそうだったと思い出す)
すごくきついため、下山道を登った方がそうとう楽とのこと。傾斜はきついが確かに楽なように思う。

これはいいことを聞きました。九合目からは下山道を登った方が楽なのだ。
それに混雑しているときなど、渋滞を避けて山頂に到着できるし。御来光にも間に合う。
(吉田口なら六合目以上ならどこからでもご来光が見られるんですが、どうしても山頂でっておもいますよね)

午前3時半。山頂到着。所要時間6時間30分。「やったー!」何度登ってもこの感激は変わりません。そしてたまりません。
ツアーの団体も「ばんざーい」を繰り返している。
しかし残念なことに、ものすごく靄っている。ちょっと御来光は無理かもしれないとこのときは思ったのでした。

感動の御来光
無事に南さんとも落ち合うことができ、持参してきた携帯バーナーでお湯を沸かす。
そしてあつあつのコーヒーで乾杯!すごく寒いため実にうまい。
重い荷を背負いバーナーと水2gを持参の”徳ちゃん”。ごくろうさま?

御来光まで時間があるため山室の休憩所に入ることにする。
今回は”扇屋”に入る。今年8/2に来たとき”東京屋”の態度に頭来たため、二度と使わないと決めたのだ。
”扇屋”は実に親切だ。”東京屋”とは比べものにならない。
中はちょっと狭いけど”扇屋”はいいです。みなさんにお勧めします。
「みなさんお疲れさまでした。無料休憩所ですからどんどん休んでくださーい!」
ホットコーヒー牛乳を注文する。暖かくておいしい。

しばらく休んでいると東の空が明るくなってきた。外へ様子を見に行く。なんと晴れているではないか!
下は一面の雲海でものすごいが、山頂は快晴となっていた。雲海がかなりの高度に達しているため御来光は遅れるだろう。

午前4時45分。御来光を見るため扇屋を出る。
すでに山室群前は人だかりで混雑しているため、下山道の方へ向かう。こちらもかなり人が集まっている。
好位置をキープし御来光撮影のカメラをセット。風が強くものすごい寒さだ。じっとしていられない。

そして雲海の上の方が輝き出す。もう出るぞ!でもここからが長い。ものすごく寒いしとても長く感じる。
早く出ろー!下は一面の雲海。しかも高い。こういう御来光も初めてだ。

午前5時10分。感動の感動の御来光だ。何度見ても本当に感動する。
待った時間とは裏腹に、陽はどんどんと昇って行く。風が強く相変わらず寒い。

お鉢巡り
その後風の来ない岩の陰で今度は暖かいスープを飲む。この携帯バーナーは実に役に立ちます。

お鉢巡りに出発する。火口の向こう側に測候所の白いレーダードームが見える。毎年見る光景だ。
日が昇るとかなり暖かい。かぜも収まった。実に気持ちいい。反時計回りにお鉢を巡る。

測候所真下に来たとき、影富士を見ることができた。一面の雲海に富士の影が映っている。
大沢崩れ側の影富士は初めて見た。これもまた感動ものだ。

最後の急坂を登り切り富士山測候所に到着。剣ヶ峰の碑の前で記念撮影。ここが3,776m地点だ。
測候所前でしばらく休んだ後、富士宮口方面へ。ものすごい急斜面を下る。そうここはものすごい急斜面の砂地。
だから反時計回りに回ったのだ。時計回りで行くとこの急斜面の登りが半端じゃなくきつい。
お鉢巡りは反時計回りで回る方が全然楽ですよ。

富士宮口奥宮を過ぎ、御殿場口の鳥居を過ぎ、富士山頂NTT、そして吉田口・須走口下山道口へと到着しました。

下山
お鉢巡り後下山の準備へ。今回は須走口の砂走りを下山する。しかしスパッツがないのに気づいた。
しまった。忘れてきた。スパッツとは足首のあたりに装着し、砂や雪などが靴の中に入るのを防いでくれる物だ。
須走口の砂走りでは必需品である。しょうがない。覚悟をして下山開始。

下山はものすごいハイペースだ。歩きやすいというのもある。また下山専用道のため登山者との行き違いもない。
30分もかからずに吉田口・須走口の分岐点に到達。以前来たときより分岐注意を促す看板が多くなっている。
やはり間違えて下山してしまう人が多いのかな…。

私たちは右方向の須走口を下山。下山道は相変わらず歩き(下り)やすい。またもハイペース。
しかし飛ばしすぎのせいか、だんだんと左膝に痛みを感じるようになる。このときはそんなに痛くはなかった。

七合目の太陽館に到着。この先は砂走りだ。しかし膝の痛みが大きくなってきている。
マッサージをするも回復しない。この太陽館に飼われている犬は実におとなしくてカワイイ。

爽快な砂走りの下山。一歩で1mは下るだろうか。実に爽快。しかし靴の中は砂や砂礫だらけ。
靴を脱いで砂礫を出してもまたすぐに入ってしまうため、あきらめてそのまま下山を続行。
なにしろ靴が埋もれてしまう程の砂の下山道なのだ。快調に下山をする。

砂走りがそろそろ終わる頃、左膝の痛みが激しくなる。痛くて立ち止まってしまう。金剛杖2本を使い下りる。
砂払い五合目の吉野屋到着。9時半を過ぎたあたり。ここまで1時間半とちょっとしかかからずに来てしまった。
かなりのハイペースだ。膝はメチャクチャ痛い。ここからは森林帯の下山道となり、段差もある。

砂払い五合目を出発。左膝は激痛で曲げられないような状態。一歩一歩に苦痛で顔がゆがむ。
背負われる寸前まで行きながら、根性でなんとか五合目に到着。
ペースが落ちたため10時40分到着。下山総時間2時間40分。下りてこれてホットする。
もう少し上で痛くなっていたら、自力で下りてこれなかったかもしれない。

天気も良くなく、左膝も痛いため小富士行きは断念する。行っても富士山は見えないだろうし。

温泉
恒例の紅富士の湯へ。天気は良くなく富士山は見れなかった。
山中湖から国道138号を河口湖方面へ向かってすぐ。左手にあります。¥700

反省
・ペースが速すぎたこと。左膝痛を起こした一つの要因かも。富士山はマイペースでゆっくり登った方がいい。
・砂走りにスパッツは必需品です。
・登山にジーンズはダメです。足に負担をかけます。
・年相応の登山計画を。

以上2000年2回目の富士登山記でした。

 

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